森のオリックスへのFA移籍で空席となった西武の正捕手争いのキーワードは〝タフネス路線回帰〟となりそうだ。
現時点で定位置が確定しているのは、一塁の山川と二遊間を守る外崎、源田だけ。捕手も含めた5つのポジションが空席で、昨年の打撃2冠王・山川が「自分達がキャリアハイの数字を残した上で、3人ぐらい同時にレギュラーが出てこないと今年のウチは優勝できない」と話すようにチームは過渡期を迎えている。
捕手に関しては、松井稼頭央監督(47)が「今年は正捕手と考えなくてもいい」との方針を打ち出しており、4年目の柘植世那(25)、2年目・古賀悠斗(23)の併用が現実的な起用法となる見込みだ。
野田バッテリーコーチも考えは同じ。柘植の良さは「献身的な人間性。何かのために頑張れる捕手」とし、古賀の現状については「武器は肩だけど、まだいろんなところが足りない。一番は自分に対する厳しさ」と話すなど厳しくも温かい目で捕手育成を進めている。同コーチが挙げる主戦捕手の条件は「丈夫さ。精神的にも肉体的にも強い人間」だという。
西武の歴代正捕手といえば、1980年代中盤から90年代中盤の黄金期を含む約20年間、正捕手の座を死守し、野球殿堂入りも果たした伊東勤から、その教え子でもある細川亨、炭谷銀仁朗と受け継がれてきた「タフネス」の系譜がある。
野田コーチは「伊東さんの何がすごいかというとケガをしないこと。その後に細川、銀仁朗と(正捕手を)争いましたけど、2人とも体が丈夫だった。本当に強いし、そういう人間が正捕手になっていく。とにかく鍛え上げたい」と力説する。
〝打てる捕手〟だった森に代わる正捕手像は、従来の路線である「タフな捕手」への回帰となりそうだ。
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